「魂動」支えるマツダの独自塗装技術 VOCとCO2削減、品質も向上 (1/3ページ)

2016.5.9 07:19

特別色「ソウルレッドプレミアムメタリック」が印象的なマツダ「ロードスター」
特別色「ソウルレッドプレミアムメタリック」が印象的なマツダ「ロードスター」【拡大】

 2016年の「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したマツダのオープンスポーツカー「ロードスター」。真っ赤なシンボルカラーが印象的だが、実はエコな水性塗装技術が採用されている。マツダが独自開発した「アクアテック塗装」。環境や人体への影響が指摘される揮発性有機化合物(VOC)と二酸化炭素(CO2)の排出を同時に抑えながら、品質も向上させた。マツダは国内だけでなく、中国など海外工場への展開も強化する方針だ。

 自動車の塗装は従来、VOCを多く含む油性塗料が使用されており、工場から排出されるVOCの削減が急務になっていた。そこで、水性塗料への転換を進めたためVOCを削減できたが、その一方で希釈剤として使用されている水分を蒸発させる際のエネルギー消費が多く、結果的にCO2の排出量が増えてしまうという欠点があった。

 マツダが開発したアクアテック塗装は水性塗装だが、塗装工程を改革することでVOC排出量とCO2排出量の同時削減を目指した。ロードスターなどを生産する広島県の宇品第1工場で12年に完了した。

具体的には、塗装ブースの空調システムを改良し、塗料の水分を…

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