□ビズライト・テクノロジー代表取締役社長 田中博見
ネットにつながるクルマを「コネクテッドカー」と呼ぶ。すでに、たくさんのセンサーが搭載されており、CPU(中央演算処理装置)とソフトウエアとが相まって衝突回避ブレーキシステムなど多くのインテリジェントな機能が商品化されている。
クルマの挙動、位置情報などをサーバーで収集することで、大きく分けて4つの変化が起こる。
1つ目は社会インフラ全体として俯瞰(ふかん)したときに、クルマ一台一台がミクロなセンサーに見える点である。例えば、位置情報と速度を組み合わせればどこで渋滞が起きているかをリアルタイムでリポートできるし、ビッグデータ解析をすればこれから起こる渋滞を予測することができる。つまり社会全体へのデータの還元である。
2つ目は所有者、つまりエンドユーザーに対する安全や利便性などの提供である。事故情報をセンサーが検出し、救急医療機関へ送信することで、生命の安全が確保される。タイヤの交換時期が知らされ、カーナビのモニターにクーポンとカーショップの位置情報が送られてくるサービスも、そう遠い未来の出来事ではない。
3つ目はカーシェアリングビジネスとの融合である。すでに米国ではベンチャー企業が駐車違反の場所でなければどこに返却しても良い、というモデルを運営し始めている。クルマを借りたいユーザーは、スマートフォンで近くに借りられるクルマがないかを調べ、予約する。スマホはドアを開けるキーにもなる。まさに“コネクテッドカー”でなくては実現できないモデルであり、成長が見込まれる分野だ。