【Bizクリニック】ビッグデータ時代 勝敗の分かれ目 (2/2ページ)

2016.5.17 05:00

 失礼ながら、多くの人は本質的にこれを理解できていない。筆者も現場で「ビッグデータ解析はできると思うが、そのデータはどうやって採取するのか」と問うことが多い。逆説的に言うと「対象となる人やモノの動きを得る仕組み」を考えて構築できれば、あなたはビッグデータ解析を活用し、ビジネスで成功できるかもしれない。

 ここで最も重要なことは「仮説を立てる能力」である。つまり「気温が高くなればビールが売れるのではないか」といった仮説を立てられるかだ。この命題は直感的に誰でも分かるし、仮説も立てられるが、ほとんどの場合、顧客の行動に仮説を立てることはそう簡単ではない。

 この仮説と命題づくりは、基本的に人間が行わなければならない。その命題をコンピューターに指示し、統計学的に有意であるかを調べ、試行錯誤を繰り返して実際の戦略や戦術にフィードバックしていくことになる。膨大なデータを解析するのはコンピューターだが、仮説を立てるのは人間の仕事なのだ。

 現状を見つめ、ビッグデータ解析で利益を得られる側に回るのか、それとも行動を分析され、刈り取られる側に回るのか-。ここにも会社や個人の分かれ道が存在している。

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【プロフィル】田中博見

 たなか・ひろみ システムハウス役員などを経て、1998年にアルファークラフトを設立。2004年に札証アンビシャス上場。06年ビズライト・テクノロジーを設立し、現職。公共交通関係のサイト構築、デジタルサイネージ、IoTゲートウェイなどを自社開発。ジンバブエ政府のサーバ構築も手がけた。53歳。北海道出身。

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