
資本提携することをうけての共同記者会見に臨む日産自動車のカルロス・ゴーン社長(右)と、三菱自動車の益子修会長=12日午後、横浜市(大西史朗撮影)【拡大】
三菱自動車の相川哲郎社長と開発担当トップの中尾龍吾副社長が、株主総会が開かれる6月24日付で引責辞任するのを受け、三菱自と資本・業務提携する日産自動車は19日、三菱自への開発部門トップの派遣に向け本格的な人選に着手した。三菱自では技術力の不足を補うために燃費データの不正に手を染めており、日産はノウハウを持つ技術者を送り込み、三菱自の開発部門の解体的な出直しを支援する。
日産は、週内にも複数の技術者の候補をリストアップし、三菱自の益子修会長が選ぶ見通し。日産のカルロス・ゴーン社長は派遣する人材について「誰を選ぶかは三菱自の責任で、押しつけることはない」としている。三菱自が技術者の派遣を受けるのは、不正を引き起こした開発部門の「抜本的な改革が不可欠」(三菱グループ幹部)との判断からだ。
連結売上高が2兆円超で、研究開発投資に振り向ける金額も小さい三菱自が、自動運転など急速に高度化が進む技術競争を生き残るためには日産のノウハウが欠かせないわけだ。