岩手競馬で騎乗した藤田菜七子騎手=16日、盛岡競馬場【拡大】
レース名に「ようこそ藤田菜七子騎手杯」などと冠して歓迎した4月12日の金沢競馬では前年に比べて1.7倍に相当する3億6000万円を売り上げ、盛岡競馬場には2355人と前年の3倍近くの観客が詰め掛けた。
地方競馬の2015年度総売り上げは4310億円。近年は回復傾向にあるものの、9862億円とピークだった1991年度の半分以下だ。岩手県競馬組合の高橋宏弥事務局長(56)は「これをきっかけに、岩手競馬を見たことがなかった新しいお客さんに興味を持ってもらえれば」とファンの新規開拓を目指す。
愛らしいルックスと相まって、藤田騎手は本業以外でも注目度は高い。既に製紙大手のテレビCMに起用され、3月から芸能事務所ホリプロに所属。テレビ番組などへの出演依頼が数多く届いているという。ただ、実力よりも人気が先行する現状を本人は十分に自覚。「女性だからではなく、成績を残して注目してもらえるように頑張る」と地に足がついている。
5月20日までの戦績はJRAが104戦3勝で、地方は38戦4勝と健闘。JRA女性騎手第1号として96年にデビューし、現在は競馬評論家の細江純子さん(41)は「私の時は一つの騎乗チャンスを得ることとの戦いだった。こんな時代が来たのかという驚きがある。彼女がいいスタートを切れたことがうれしいし、これをつなげていってほしい」と期待している。