日本マクドナルドが15日から発売する3種類のトッピングを選べるハンバーガー=東京・新宿(大柳聡庸撮影)【拡大】
期限切れ鶏肉の使用など品質問題が尾を引く日本マクドナルドが、5月の既存店客数で5カ月連続のプラスになるなど、業績回復の兆しが見え始めている。背景にあるのが期間限定商品の相次ぐ投入だ。3種類のトッピングが選べる期間限定のハンバーガーを15日に発売するなど、話題を提供して顧客の関心を引きつけようとしている。ただ、客数も売上高も品質問題以前の水準には戻っておらず、本格回復は道半ばだ。
マクドナルドは9日、定番ハンバーガー15種類で、3つのトッピングを選べる期間限定のメニューを15日に発売すると発表した。「話題性を提供する」(マーケティング本部の唐沢俊輔部長)ことで集客を狙う。期間は7月上旬まで。
マクドナルドの5月の既存店客数は前年同月比7.0%増と5カ月連続のプラス。売上高も21.3%増と6カ月連続で増えた。客足が戻ってきた原動力は、比較的単価の高い期間限定メニューの相次ぐ投入だ。
4月に発売した「グランドビッグマック」(520円)は一時、食材の供給が追いつかなくなるほどの人気となった。
ただ、本格的な回復からはほど遠い。期限切れ鶏肉問題は平成26年7月に発覚したが、その前の26年1~6月期の営業損益は35億円の黒字。これに対し客足が戻ってきたとはいえ、28年1~6月期は18億円の赤字を見込む。失った信頼を取り戻し本格的な業績回復につなげられるのか、マクドナルドは正念場を迎える。