川崎重工業やヤマハ発動機など国内の二輪車メーカーが、北米で成長するオフロード四輪車市場に熱い視線を送っている。農林業などの業務用のほか、山道や林道を疾走するレジャー用の需要が拡大しているためだ。北米市場では米ポラリス社やカナダのボンバルディアのシェアが高い中、国内二輪車メーカーはデザイン性の高さやブランド力で地元企業の牙城に挑んでいる。(会田聡)
「平成27年度までの3年間でオフロード四輪車事業の売上高はほぼ倍増した」。川重の富田健司常務は5月25日の記者会見でこう胸を張った。
川重は棒状のハンドルで操作して1人乗りが中心の「バギー」型のほか、複数人が乗れて荷台も備える「MULE(ミュール)」シリーズや、レジャー用の「TERYX(テリックス)」を海外で展開する。27年度は主力市場の北米の景気拡大を背景に、バギー型よりも高額なミュールやテリックスが販売を伸ばして売上高は約670億円を記録した。
富田常務は「製品の浸透で今後も市場は伸びる。ラインアップを充実していきたい」と力を込める。
ヤマハは昨年9月、レジャーに特化した2人乗りオフロード四輪車「YXZ1000R」を北米で発売。年間販売計画は8千台なのに対し、2015年末に受注は1万台に達した。
ヤマハは「二輪車のデザイン性や技術力で既存メーカーから差別化している」と強調する。オフロード四輪車を含む特機事業の売上高を平成30年12月期に現状の3割増の2100億円まで増やし、二輪車事業とボートなどマリン事業に次ぐ「第3の基幹事業に育成する」としている。ホンダもオフロード四輪車「パイオニア」を北米で展開して販売を伸ばしている。
ヤマハによると、オフロード四輪車の北米市場は2018年に41万台と15年比で約2割伸びる見込みだ。