熊本地震から2カ月 テレビ報道に厳しい目 ネット拡散…謝罪も (2/3ページ)

2016.6.18 17:01

強い地震でホテルのロビーに集まり、テレビを見つめる宿泊客=4月16日未明、熊本市内のホテル

強い地震でホテルのロビーに集まり、テレビを見つめる宿泊客=4月16日未明、熊本市内のホテル【拡大】

  • 報道陣に説明する自衛隊員(左から2人目)=4月21日夜、熊本県南阿蘇村

 「批判に鈍感な局」

 5月13日のBPO検証委では、個別の番組について放送倫理上の問題を指摘する声は出なかったという。ただ、川端和治委員長は同日、「特にネットで、メディアの報道のあり方に対する目線がものすごく厳しくなっている」と記者団に説明。災害報道のあり方をめぐり、活発な議論が交わされたことを明かした。

 公開された検証委の議事概要によると、ある委員は「被災地の当事者ではない人々がテレビ報道を見て、それをバッシングする傾向もうかがわれる」と指摘。また、「バッシングにセンシティブ(敏感)になり過ぎるのも問題ではないか」として、「取材者には、嫌われるのを覚悟で伝えるべきことは伝えるという姿勢がほしい」と、取材や放送が及び腰になることに警鐘を鳴らす意見もあった。

 ネットでのマスコミ批判の高まりについて、ジャーナリストで元フジテレビ解説委員の安倍宏行さんは「東日本大震災以前から、ヘリ取材や被災者取材などへの批判はあった。スマートフォンが普及し、テレビ批判がツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて拡散しやすくなったが、テレビ局自身が批判に鈍感だった」と指摘する。

「ヘリ取材をすべて否定してしまうと…」

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