
スズキの株主総会で話す鈴木修会長(中央)=29日、静岡県浜松市中区東伊場のグランドホテル浜松(会田聡撮影)【拡大】
決算を説明するナレーションが終わると、鈴木会長は再び燃費不正問題についての説明を始めた。
「議案の上程に先立ち、本総会冒頭でおわびさせていただいた四輪車の排出ガス燃費試験をめぐり、国が定める規定と異なる不正な取り扱いをしていたことについて、報道などですでにご存じの方もいらっしゃると思うが、ここで本日現在の状況を改めて説明させていただく。当社において国が定めた通りの測定法『惰行法』で燃費を測定し直した結果、いずれの車種もカタログ値を満たしていることが確認できたので本年5月31日にその確認結果とともに、本件に関する全容の説明とおわびを国交省に対して行った。その後、6月8日には再度国交省に赴き再発防止策と責任の明確化について説明した。その内容の再発防止については、一人一人が法律を守るという基本的な法令順守の意識を高める教育などの方策を今後行っていくこと、そして組織が縦割りになっていたということで風通しの良い横断的な連携を強化することが重点的な対策と考えている」
続けて経営責任についての見解を示した。
「次に責任の明確化については本田治副社長から辞意の申し入れがあったので、これを受け入れ、わたしもCEOを辞退することにした。今後も再発防止に全力を挙げるべく努力していきたいと考えている。さらに役員賞与、月額報酬についてはそれぞれの職務に応じて減額させていただいた。先週末の24日には石井国交相から呼び出しを受け、わたしと社長が伺い、再発防止を徹底するようにと直接厳しい指導をいただいた。当社としては全力で取り組むという旨をお誓い申し上げた。なお5月31日に報告した再測定の燃費値については今後国交省において検証頂くことになっている。今後も販売を続けながらお客さまの信頼回復に努めていく。株主の皆様には本件に関しご迷惑とご心配をおかけましたが、なにとぞご理解頂きまして引き続き支援をたまわるようお願いいたします」