
NHK経営委員会委員長に就任した石原進氏=28日午後、東京・渋谷のNHK放送センター(納冨康撮影)【拡大】
NHKの経営の監督や会長人事などを担う最高意思決定機関、経営委員会のまとめ役に就任した。
「現在のNHKは非常に重要な時期にある。受信料で成り立つ公共放送として一層、信頼されるよう、執行部と良い緊張関係を持って役割を果たしたい」
平成22年12月から経営委員を務め、現委員12人中、最古参。自ら委員長に名乗り出たといい、「委員を5年半やったので、やりがいのある委員長をやってみたかった」と明かす。
昭和44年、国鉄入社。分割民営化後はJR九州に入り、平成14~26年に社長、会長を歴任。現在は相談役を務める。九州新幹線全線開業の道筋を付けるなど、経営手腕への評価は高く、政界とのパイプも太い。
経営委員長として、来年1月の次期会長人事を「最も重要な仕事の一つ」と位置付ける。自身が推したとされる籾井勝人会長(73)については、「誤解されるような発言がいくつかあった。慎重な発言をお願いしたい」と注文を付けつつ、「収支改善や国際放送の推進など実績もあると思う。是々非々で考えたい」。
一方、子会社元社員による着服など、NHKグループで相次ぐ不祥事を受けたガバナンス(企業統治)強化や、新たな受信料制度のあり方、東京・渋谷の放送センター建て替えといった経営課題は山積。「JRでの経験から言うと、NHKはグループ経営にもっと力を入れていく必要がある」と力を込める。
趣味は山歩き。NHKでは「にっぽん百名山」「さわやか自然百景」といった自然番組が「楽しみ」と明かし、「NHKらしくていい」と笑顔を見せた。(三品貴志)