
三陽商会が昨年7月に立ち上げた「マッキントッシュロンドン」の1号店=横浜市港南区の京急百貨店【拡大】
滑り出しは順調だった。バーバリーを展開していた約360店のうち、当初の予想を60店も超える約260店を確保するのに成功。9月半ばまでに、ほぼ全店のオープンにこぎつけた。
しかし、抜群の知名度を誇るバーバリーとの差はあまりにも大きい。同社が立ち上げ直後の昨年8月、30~50歳の男女約2000人に知っている英国ブランドを3つ挙げるよう質問したところ、マッキントッシュと答えた人はバーバリーの28分の1しかいなかった。同社もそれは自覚しており、広告宣伝に多額の費用をつぎ込んだものの、3カ月後の10月時点でも18分の1にとどまった。
さらに、コートなどの「重衣料」が主体のため、暖冬にも足を引っ張られた。
巻き返しを図るべく、7月にはバーバリーでは行わなかった半期に1度のセールに初めて乗り出す方針だ。固定客獲得にも努め、18年には200億円の売り上げ目標を掲げる。
佐久間専務執行役員は「株安など環境的なマイナス要因はあったが、前向きな感じはある」と達成に意欲をみせる。