
三陽商会が昨年7月に立ち上げた「マッキントッシュロンドン」の1号店=横浜市港南区の京急百貨店【拡大】
もっとも、アパレル業界を取り巻く環境は厳しい。特に同社が得意とする百貨店における衣料品販売は、消費低迷やファストファッションの台頭で、10年からの5年間で約1800億円も減少した。最近はファストファッションですら苦しく、5月には米ギャップが低価格衣料「オールドネイビー」の日本撤退を発表している。
アパレル不況も影響
三陽商会はもともと、バーバリーがなくなることで、16年6月中間期は22億円の営業赤字に転落するとみていた。
しかし、アパレル不況で全体的に販売が落ち込んでいることから、先月になって中間期の業績予想を下方修正。赤字額は55億円に膨らむ見通しだ。10月には全社員の約2割にあたる約250人の希望退職を募るほか、不採算の数ブランドを休廃止する方向で検討中だ。
同社は「ロンドン」が順調に育てば、18年12月期に営業利益50億円への回復を見込めるとしている。しかし、計画達成には新ブランド育成だけでなく、徹底した構造改革も欠かせない。(井田通人)