また、大手銀の担当者は「金利がもっと下がるとの期待から、企業は設備更新などを後回しにするケースもある」と指摘する。伸びているとされる不動産向け融資も、都心部への一極集中が続き、人口減少が見込まれる地方には波及していない。
こうした中、日銀は市場に出回る資金を増やし続けている。6月のマネタリーベース(資金供給量)の月末残高は初めて400兆円を超え、403兆円となった。年80兆円のペースで資金供給量を増やしている金融緩和の影響だが、市場では「マイナス金利を深掘りしても、資金需要は伸びない」との声が出ている。
円安株高によって大企業が得た利益が設備投資や賃上げに回り、中小企業や地方にも波及する「経済の好循環」を狙ったはずの金融政策が、袋小路に入り込みつつある。(飯田耕司)