一方、LINEはタイと台湾でシェア首位、人口の多いインドネシアで2位となっており、これらの地域で優位性を確固たるものにするという現実的な戦略を選んだ。
4カ国・地域でシェアを高めても、成長性は限定的なのでは-。こうした市場の問いにLINEが出した“解”がスマートポータルだ。例えば、ヤマト運輸と連携し、宅急便の荷物の問い合わせや届く日時、場所の変更をLINE上のやり取りでできるようにした。こうしたサービスを多くの企業と行い、「LINEで何でもできる」(出沢社長)状況にする狙い。ヤマト運輸とのサービスでも使われているAIに関しては、3月末に立ち上げた研究所による自社開発と、パートナー企業の技術活用の両にらみで進める。
スマートポータル分野での競争激化も必至で、勝ち残りは容易ではないが、出沢社長はフジサンケイビジネスアイの取材に対し、「各国で利用者の声を聞き、サービスに反映してきたノウハウがある」と、LINEの強みを強調した。(高橋寛次)