
関西国際空港で荷物が積み込まれる貨物便【拡大】
不振の原因となっているのが、半導体やコンデンサーなどのスマホ向けの電子部品だ。関西は京セラや村田製作所、日東電工などスマホ向けの電子部品を主力にするメーカーが集まっており、世界中のスマホ製造拠点に向けて関空から電子部品が輸出されている。
電子部品は小型軽量で単価が高く、完成品メーカーへの速達性が求められるため航空貨物がよく利用される。金額ベースでは、関空からの貨物輸出に占める電子部品の割合は3割を超えている。
スマホの販売不振は電子部品メーカーの業績にも影響を与えており、29年3月期の業績予想で大手7社のうち日本電産を除く6社が減益を見込む。電子部品頼みの関空の貨物便はしばらく低迷が続きそうな状況だ。
関西の地盤沈下で…
関空の貨物便は19年冬季ダイヤの週201便をピークに減少傾向となり、近年は週130~140便程度になっている。
ピーク時は総便数に占める貨物便の割合が25%に上ったが、現在は12%程度に過ぎない。ピーク当時の貨物で多かったのが、テレビなどに使う液晶パネルやプラズマパネルだった。