「魅力変わらず」メイ首相が歓迎 ソフトバンクのアーム買収 対英投資に好影響も 

 英国のメイ首相は18日の議会で、ソフトバンクグループによるアーム・ホールディングスの買収を歓迎し、「英国はこれまで通り国際的な投資家にとって魅力的だ」と強調した。6月の国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利して以降、英国企業が絡む初の大型買収になる可能性があり、日本企業の対英投資にも好影響を与えそうだ。

 ソフトバンクの孫正義社長は記者会見で、メイ氏に電話で報告したことを明らかにした。アームの本社を引き続き英国に置き、今後5年間で雇用を倍増させる方針も確認したという。

 ハモンド財務相も「国民投票からわずか3週間後の決定で、英国が国際的な投資家の魅力を失っていないことを示した」と述べた。

 英国のEU離脱により、企業は現地生産した製品を英国以外のEU域内で販売する際に関税がかかるなど悪影響が懸念される。日本国内でも投資戦略を再検討する動きが相次いでいた。

 大和証券の石黒英之シニアストラテジストは今回の買収で、「英国に対する漠然とした不安感や、行きすぎた悲観論が後退する」と指摘。企業の“英国離れ”が沈静化する可能性があるとの見方を示した。