「GT-R」エンジンを手で組み立てる匠の仕事 わずかな違いで走りに差 (2/4ページ)

2016.7.24 21:21

高級スポーツ車「GT-R」のエンジンを手組みする「匠」の候補として働く日産自動車横浜工場の大竹由希子さん=横浜市神奈川区宝町の同工場(会田聡撮影)
高級スポーツ車「GT-R」のエンジンを手組みする「匠」の候補として働く日産自動車横浜工場の大竹由希子さん=横浜市神奈川区宝町の同工場(会田聡撮影)【拡大】

  • 日産が開いたスポーツ車「NISSANGT-R」=東京都港区(伴龍二撮影)

 燃焼試験やエンジンの試作を経験し、まじめな仕事ぶりとやる気が評価されて最年少で匠候補になった。匠の一人、黒沢工さん(55)は「動きに無駄がない。質問も多く、向上心が強い」と目を細める。

 GT-Rが570馬力の高性能を発揮するため、匠は機械では難しい部品がなじんだ後の誤差も先読みするなど卓越した能力が求められる。いまは100部品程度の組み立てを任せられるが、「ボルト締めなど手先を使う作業が遅い。先輩よりも早く次の工程に移れるようになるのが目標です」と努力を続ける。

 匠には担当したエンジンに名前入りのプレートを張る特権が与えられる。女性初の匠になり、「いつか自分のプレートを張りたい」。(会田聡)

 日産自動車の高級スポーツ車「GT-R」のエンジンを手で組み立てる熟練技能者「匠」。平成19年の発売当時から匠を務める黒沢工さん(55)に話を聞いた。

普通のエンジンはラインの工程ごとに担当者を割り当て部品を付けるが…

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