デング熱やジカ熱といった蚊を媒介とする感染症が心配だ。マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)も怖い。こうした中でひときわ注目され、頼りにされるのが虫よけや殺虫剤だろう。業界最大手のアース製薬は、今期から中期経営計画を公表するとともに、海外進出も本格化する。同社の川端克宜社長に、業況や今後の展望などを聞いた。
--経済環境や市場の状況をどうみるか
「景気という意味では、ながらく成長のない状態が続いているものの、必需品などが多い日用品市場は大きな影響を受けてはいない。入浴剤などは、機能性を高めた商品の人気が高まれば、量が増えなくても金額ベースの成長が見込める。質的拡大の余地、ビジネスチャンスもまだまだある」
--中核事業である殺虫剤は注目されている
「蚊を媒介とする感染症への脅威もあり、需要は多めに推移している。ただ、現下のような波の荒い特需は好ましくない。消費者に対して蚊に関する正しい情報や知識を提供し、普段から備えるよう促したい。蚊はヒトの生命を最も多く奪っている生物だ。温暖化の影響もあり、蚊を媒介とする危険な感染症の脅威は今後ますます高まるかもしれない」