
買収する英アームと米スプリントに時間の9割を使うというソフトバンクの孫正義社長=7月28日【拡大】
さらに孫氏は、アームの主力製品についての解説まで行う。現在はアプリケーションプロセッサーの「Coretex-A」、リアルタイム処理が求められる自動車などに利用される「Coretex-R」、省電力性に優れIoTデバイスなどでの利用に向けた「Coretex-M」があり、さらに2017年には、新製品の「Coretex-A73」が登場し、そのスペックは現在のスマートフォンに搭載される「Coretex-A57」の2倍になると説明する。
そうした先進的な機能開発は今後も継続し、特許も取得していく、と語る孫氏は「20年後、1兆個のチップがばらまかれる」とさまざまなデバイスにアームのチップが搭載されるという未来図を描き、ハードウエアからコンテンツに至るまでの“総合インターネットカンパニー”になる、と意気込む。
◆「シナジー言えない」
一方で、CPUの内部にあるコア技術という、現在のソフトバンクグループの事業とは遠く離れた分野であるアームとのシナジーを問う声が挙がると「(シナジーがよく分からない)だからいいんです」とにんまり。孫氏は、クアルコムやインテル、あるいはアップルなど、アームとの相乗効果が直接的で、分かりやすい企業が買収に乗り出そうとしても、各国の独占禁止法に触れてしまい、買収できない、と説明。
またソフトバンクと同じような立場の他社がアームを買収しようとしても、「シナジーが分かりづらい」と取締役会で取り沙汰されて買収できない、とも語った孫氏は「囲碁で、自分の置いた石のすぐそばに次の手を打つのは小学生の囲碁。名人戦だとぽーんと離れた所に置く。(ソフトバンクの既存事業との関連について)つながりを説明する気はないし、競争があるなかでつながりを言うことはできない」と明言を避けた。