
買収する英アームと米スプリントに時間の9割を使うというソフトバンクの孫正義社長=7月28日【拡大】
1年前、「必ず改善してみせる。光は見えた」と語っていたスプリント事業について、今回、孫氏は解約率が改善したこと、ドルベースで売上高をみると前年同期から横ばいになったことから、業績悪化は底を打ち、2016年度は黒字へ転換できる、と自信を見せる。
これまでの会見でも触れていたように、今回もまた、ネットワーク設備の整備によるエリアの拡充、そしてコストカットといった手法を採用していることを改めて紹介。規模としては日本の携帯電話事業よりも大きく、日米合わせれば、米国トップクラスのAT&T、ベライゾンに匹敵する収益源になる可能性がある、とその未来を描く。
「1年、2年前は地獄のような苦しみだった。早く売りたくて仕方なかった。しかし、今、スプリントの会議が楽しくてしようがない。いよいよ改善が見えてきた。フリーキャッシュフローが改善し、今年初めて、年間を通じて黒字になりそうだ」
◆今は携帯が稼ぎ頭
その一方で、国内の携帯電話事業については「キャッシュフローの一番の稼ぎ頭」と述べて、現時点では最も重要な収益源との見方を示すも、現在ソフトバンクのモバイル事業として1つのブランドになった「ワイモバイル」、1つの子会社と勘違いしてコメントする場面があるなど、関心が薄れていることは隠しきれない。
これからの時間の使い方も、スプリントとアームに45%ずつ割り当てる方針と明らかにした孫氏。スプリントのチーフネットワークオペレーター(ネットワーク関連の責任者)職は2017年末まで務める意向で、アームについては中長期の戦略に関わっていく方針だという。(インプレスウオッチ)