
USJのチケット売り場に並ぶ親子連れら=16日午前、大阪市此花区【拡大】
訪日外国人の急増でにぎわう関西で、近畿圏の住民のホテルやテーマパーク離れが進んでいる。「価格が高くなった」「混雑している」などのイメージが広がり、常連客らが敬遠していることが背景にある。外国人観光客は政治情勢などに大きく左右されるため、関西在住者を優遇するプランを組むホテルも出てきた。
「ホテル業界で『大阪控え』が起きている」。大阪市内のホテル関係者はこう話す。
この兆候は今年のゴールデンウィーク(GW)期間中から表れ、かき入れ時である5月にもかかわらず、大阪のホテルニューオータニやリーガロイヤルホテルなど高級ホテルが軒並み前年より稼働率を下げた。外国人客の割合は前年を上回っており、国内客の落ち込みが目立ったという。
「関西のホテルは予約が取れない」との印象も強く、常連客らが敬遠。国内の団体客も他の旅先を選ぶ傾向が出始めている。
そんななか、外資系高級ホテル「セントレジスホテル大阪」(大阪市)は8月末までの夏休み期間中、関西在住者と勤務者を対象に通常料金よりも割安になるユニークなプランの販売を始めた。価格に差をつけることで地元客を呼び戻し、巻き返しを図る方針だ。