
サイバー攻撃に備えたセキュリティーの技術を競うコンテスト。経産省は民間企業向けの研修などを実施する【拡大】
工場や発電所などインフラ施設をサイバー攻撃から守るため、経済産業省が民間の専門人材を育成する拠点を新設することが10日、分かった。多くの機器がインターネットを通じて相互につながるモノのインターネット(IoT)によって、産業インフラが外部から操作される危険性が高まっているためだ。2017年度予算の概算要求に盛り込み、同年度中にも運用を始める予定だ。
新設する拠点では、民間企業の担当者の専門性を高める研修を実施する。工場や発電所の制御室の模擬施設が整備され、実際にサイバー攻撃を受けた想定で演習を受けることができる。このほか、サイバー攻撃に関する情報収集や分析も行い、こうした知見をスペシャリスト育成に生かす。
IoTを利用すれば工場の生産性や発電所の効率を高めることができる一方で、運用システムが誰でもアクセスできるインターネットを介するため、常にサイバー攻撃の危険にさらされる弊害が出ている。
産業インフラが攻撃を受けると機器が遠隔操作され、停電や生産停止といった直接的な被害が発生する。経産省幹部は「東京五輪もあり、日本が狙われやすい国際情勢が続く。人材育成は急務」と危機感を募らせる。
海外では、ウクライナで電力の需給調整システムが狙われ大規模停電が発生し、トルコで天然ガスパイプラインの制御機能が乗っ取られ、爆発事故が起きるなどの事例がある。