このCCSの実施には、隙間の多い砂岩や火山岩から成る貯留層の直上に、緻密で流体を通しにくい泥岩の遮蔽層が存在していることが必要だ。貯留層に入れたCO2が漏れ出さないよう遮蔽層が蓋の役目を果たす。苫小牧の沿岸部にも、こうした地層構造が存在しているのはもちろんだ。
ところで、日本でのCCSによるCO2の貯留可能量だが、1400億トンという見積もりがある。日本の排出量は年間約13億トンなので100年分に相当する規模だ。
数年前のことになるが、政府の審議会でCCSの導入に難色を示した委員がいた。理由は「削減力が巨大過ぎるので、国民の間での地道な削減意欲が損なわれる」ということだった。それほどの圧倒的な削減力を秘めた技術なのだ。
地球温暖化防止の枠組みとして昨年、採択された「パリ協定」では、今世紀末の気温上昇を産業革命前に比べて1.5℃未満を目指しつつ、2℃未満に抑えるという国際合意に達している。
この「2℃目標」の達成には、2050年に世界のCO2排出量の半減が必要なので、CCSへの期待度は高いのだ。
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