だが、CCSが地震の引き金を引くのでないかと心配する声もある。
活断層による被害地震が起きる深度は、CCSの貯留層よりも1桁深い所なので、両者の関係はなさそうだが、不安の声を無視して進めることは難しい。
苫小牧での実証試験でもCO2の圧入で地震が誘発されることがないことを証明するための観測網を敷いている。
その一方で、大地震に襲われても地下に貯留したCO2が漏れ出したりしないことは、新潟県中越地震(04年10月)と新潟県中越沖地震(07年7月)で実証済みなのだ。
2つの地震に先行し、地球環境産業技術研究機構(RITE)が03年から1年半をかけて新潟県長岡市内の陸域の地下1100メートルの砂岩層に1万トンのCO2をCCSの予備試験として圧入していたのだが、地震の影響を受けなかったことが確認されている。
長岡のCCSサイトは、世界で唯一、強い地震に見舞われた場所なので、堅牢(けんろう)性を示す貴重なデータとなっている。
CCSの導入については、コストをめぐって政府内でも積極論と消極論があるのが現実だが、すでに世界の潮流となっている。
日本として自前の技術と情報を持っておくに越したことはない。