
漆塗りの光沢に近いバイオプラスチック【拡大】
NECは17日、京都工芸繊維大などと共同で、漆塗りの光沢に近いバイオプラスチックを開発し、自動車の内蔵部材や電子機器など幅広い用途に売り込むと発表した。
表面処理した炭素微粒子を独自技術で混合することで漆黒並みの低い明度と、高屈折率の芳香環化合物の添加による鮮やかな光沢を両立したことで、より漆塗りに似た外観を実現した。
NECは非食用植物を原料としたバイオプラスチックを、パソコンなど電子機器に採用してきた。用途拡大を目指し、京都工芸繊維大のほか京都産業大教授で下出蒔絵司所3代目の下出祐太郎氏と共同研究し、バイオプラスチックの外観を高級漆器に近づけた。今後、材料メーカーなどに採用を働きかける。
NECの位地正年IoTデバイス研究所主席研究員は「バイオプラスチックは石油由来の樹脂より2倍以上高いが、量産化できればコストは下がる。内装・耐久商品に展開したい」と話している。