ソフトバンクは20日、携帯電話の新規加入者か番号持ち運び制度(MNP)利用者を対象とした割引「光でギガ特盛キャンペーン」の受け付けを終了した。NTTドコモやKDDIも相次いで割引キャンペーンの制度を変更。総務省が7月、携帯電話各社に過度な割引の是正を求めるガイドライン(指針)の順守を要請したことを受け、“正常化”を図った形だ。(大坪玲央)
ソフトバンクが受け付けを終了したのは、光回線とスマートフォンをセットで利用した場合、1年間毎月最大3522円を割引するほか、データ通信容量を1年間毎月2ギガ増量するキャンペーン。既存のスマホ利用者に適用されるのはデータ増量のみで、新規契約者やMNP利用者とのサービスに差があった。
一方、ドコモはMNP利用者と新規契約者が光回線とセットでスマホを契約すると工事代金最大1万8千円が無料になるキャンペーンの対象を7月末に変更。KDDIも、MNP利用者と新規契約者限定だった光回線とスマホのセット割引の対象を8月10日に変更した。ともに既存のスマホ利用者による機種変更をキャンペーンの対象に加えた。
これについて総務省幹部は「対象を限定しなければ長期利用者もメリットを受けられる。望ましいと判断している」と評価する。
こうした各社の措置は、総務省の要請に応じたものだ。総務省はMNP利用者への過度な割引を是正するよう指針を出していたが、各社のキャンペーンが同指針の禁止事項に抵触する恐れがあるとして7月に文書で改善を求めていた。
KDDIの田中孝司社長は「(総務省から)いろいろと言われているので(対応を)検討している」と打ち明けた。ただ、米アップルの新型アイフォーンが9月に発売となる見通しで、各社は新たな料金プランを導入する可能性もある。