植物由来素材でCO2削減、環境配慮ペットボトル サントリーホールディングス (2/3ページ)

軽量化を進めてきたサントリー天然水のペットボトル
軽量化を進めてきたサントリー天然水のペットボトル【拡大】

  • 植物由来原料100%のペットボトル原料をつくるための実証プラント

 ペットボトルは、汎用(はんよう)プラスチックのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂でできている。PET樹脂はこれまで石油由来の原料で作られていたが、これを植物由来の原料に置き換えるという試みだ。しかも原料にはサトウキビなど食用の素材ではなく、木材(ウッドチップ)を原料に使う。

 アネロテックはウッドチップに含まれる成分からPET樹脂の原料を取り出す技術を持っている。今後はウッドチップと触媒の組み合わせなどを工夫し、生産量の拡大やコスト低減といった課題を克服し、商業生産につなげたい考えだ。

 そもそもペットボトルに使う合成樹脂を減量できれば、石油の使用量も減る。サントリーグループは、ペットボトルの成形技術などに磨きをかけ、これまで減量化に取り組んできた。

 その結果、13年には「サントリー天然水」の2リットルで当時国産最軽量となる29.8グラムのペットボトルを導入した。20年前に比べると6割以上も軽くすることに成功。同じく550ミリリットルには11.3グラムのボトルを採用。こちらも20年前に比べ約65%軽量化できた。

環境に配慮しているのはペットボトル本体だけではない