「森を守り、森を育てる製紙会社へ」 資源循環型経営進めるインドネシアAPP (2/2ページ)

スマトラ島リアウ州にあるAPPが自社管理する広大な植林地(長谷川周人撮影)
スマトラ島リアウ州にあるAPPが自社管理する広大な植林地(長谷川周人撮影)【拡大】

  • 8月4日、地元の人たちと自生種の苗木を植樹する日本人ボランティアたち(長谷川周人撮影)

 「森を守り、森を育てる製紙会社へ」を合言葉にAPPは、14年に開かれた国連気候変動サミットにも参加。製紙業界では唯一の民間企業として招かれ、気候変動対策における森林の重要性を確認した「森林に関するニューヨーク宣言」に署名した。

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 ■評価高める「1万本植樹プロジェクト」

 ただ、深刻な貧困問題を放置して、違法伐採を根絶することは不可能だ。インドネシアでは貧困層が違法伐採を繰り返し、生活費を稼ぐという悪循環が長く定着してきた現実がある。このためAPPは農業による地域コミュティ発展支援活動を推進。対象は5年間で500村落に広げて地元経済の底上げに努め、持続可能な資源循環型経営の実現に向けて動き出した。

 自然林の保護・再生支援の拡充にも乗り出しており、同社のステークホルダー・エンゲージメント担当部長、ネグラサリ・マルティニ氏は「森林保護にはさまざまなステークホルダーの支援と協力が必要だが、森林の保全と再生の取り組みにあたり、すでに多くのステークホルダーと覚書を交わした」という。

 この計画の延長線上で、8月上旬の植樹イベントが象徴する日本と進める植林活動も始まった。植物生態学では世界的権威の宮脇昭・横浜国立大学名誉教授が14年、「9000年続く命の森をインドネシアから世界に発信しよう」と、外来種ではない土地本来の樹種を育てようと提唱。この呼びかけが発端となり、APPは自生種による「1万本植樹プロジェクト」をスタートさせた。

 持続可能性サイクルを目指すこうした取り組みに対し、APPに批判的だった環境団体なども一定の理解を示し、今年6月にタイで開かれたアジア生産性機構(APO)が主催するエコプロダクツ国際展では大賞を受賞。国際社会における評価も高まっている。

 今回の植樹イベントに大阪からボランティア参加した森本一央さんは、「植樹は努力の積み重ねが大切。まして資源が枯渇する日本の企業は、インドネシア企業の取り組みに学ぶべきところが多いのではないかと思った」と話している。