運転者が操作に全く関与しないレベル4の事故は、自動運転車メーカー、人工知能(AI)機能の開発者が責任を負うなどの議論がある。警察庁が日本能率協会総合研究所に委託してまとめた「自動走行の制度的課題等に関する調査研究報告書」では「道路交通法等を含め、事故時の責任関係のほか、運転者の義務等の在り方について検討」という表現にとどまっている。
民事上の責任も問題になる。自動運転車に欠陥があり事故が起きた場合、日本ではメーカーの製造物責任が問われるだろう。ただ、自動車自体の欠陥が明らかでない場合、現在の民法や製造物責任法では、被害者が加害者側の過失か製造物の欠陥を立証する必要があり、立証できないと賠償請求できない。技術面の理解に乏しい被害者が完全自動運転車に欠陥があることを立証することは困難で、警察庁委託の報告書でもこの点が問題視されている。(この項おわり。次回から、つながりバンクの齋藤由紀夫社長が中小企業のスモールM&A=企業の合併・買収=について執筆します)
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【プロフィル】中野秀俊
なかの・ひでとし 早大卒。2009年から法律事務所勤務。11年にフロンティア法律事務所移籍。16年4月にグローウィル国際法律事務所を設立し現職、同時に企業経営の課題を解決するみらいチャレンジを設立し代表取締役。大学の時にIT関連で起業した経緯から、IT・ウェブ企業の法律問題に精通している。32歳。埼玉県出身。