爆買いバブル崩壊の“落とし穴” ラオックス、百貨店…積極策が完全に裏目 (3/4ページ)

 数を追うだけの政策はいずれ壁にぶち当たる

 これを裏付けるように、内閣府が8月15日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値で、訪日外国人観光客消費は前期比4.5%と3年半ぶりにマイナスに転じた。購買品の中心が爆買いの象徴だった宝飾品や腕時計といった高額品から化粧品や医薬品、日用品など価格の低い消耗品に移行していることも、爆買いが沈静化している要因となっている。

 消費財メーカーもこの影響を受け、国産時計大手の収益を大きく圧迫している。シチズンホールディングス、セイコーホールディングス、カシオ計算機の3社の4~6月期はいずれも営業利益が前年同期から2桁の減少に追い込まれ、シチズンHDは17年3月期通期の最終利益見通しの下方修正を迫られた。インバウンド消費に過剰な期待を寄せてきた関連業界は思わぬ“落とし穴”にはまってしまった。