「レトロ自販機」絶滅の危機 うどんやハンバーガー…希少価値で遠方から来客も (2/3ページ)

佐原商店のうどん・そば自販機。40年以上にわたって人々に親しまれた=3月7日、秋田市
佐原商店のうどん・そば自販機。40年以上にわたって人々に親しまれた=3月7日、秋田市【拡大】

 昨年、NHKの「ドキュメント72時間」で秋田港近くの船舶食料商「佐原商店」のうどん・そば自販機が取り上げられた。地元の人たちに親しまれている姿が描かれ、大きな話題となった。今年3月末に閉店となったが、懐かしい味を惜しみ、連日行列ができるほどだった。

 一見すると、単なる自販機だが、地元の人たちを魅了するのは「飲料と違い、お店の人が手をかけて作り、ぬくもりがあるからだ」(越野氏)という。

 うどん・そばの場合、店が麺や具材、だしを用意し、下調理してから自販機に設置する。このため店によって味が異なる。関東と関西の自販機では全く味が違うという。ハンバーガーやトーストサンドも同様だ。

 その分、店側の負担は重く、下調理の準備や在庫を補充する必要がある。最近はオーナーの高齢化で後継者がいないため、閉店する店舗が増加している。さらに自販機も老朽化で動かなくなり、年々減少している。

レトロ自販機の人気で、生産復活を望む声もあるが…