
北海道新得町の食事会に出張し「飾りずし」を披露する桑添達也さんと妻、野の子さん【拡大】
2012年に給食会社に就職し、赴任先の札幌市で出会った野の子さんと結婚。昨年10月、会社を辞めて新得町に移住した際、野の子さんや家族にすし店の再開を勧められた。「すしのことになると、別人のように楽しそうに話すから」と、野の子さんはほほ笑む。
当初は仕入れに苦労したが、町内の鮮魚店の協力で、帯広市の市場から新鮮な魚を入手できるようになった。出張先は人口の多い帯広市が主だが、口コミが広がり、近隣町村からの注文も徐々に増えた。「すしの仕事を続けられるのは、家族や地域の人が助けてくれたおかげ」と達也さん。
十勝地方は今年8月に相次いだ台風で甚大な被害が出て、予約のキャンセルが相次いだ。「大震災の時、たくさんの人に助けてもらった。今度は自分のすしで地域を元気づけたい」。達也さんは10月、被災地域の住民にボランティアですしを配るつもりだ。