
旭食品の80周年で高知を訪問(左から2番目が当時の味の素の江頭社長、右から2番目が横山会長)【拡大】
CMに関してはその10年後、「クック・ドゥ回鍋肉」でも似たようなことがありました。
「とと姉ちゃん」の妹役を演じるなど活躍中の杉咲花さんが、音を立てて食べるシーンに多くのクレームをいただく一方で、爆発的な売り上げに。実は、私は事前に音を小さくするように指示したのですが、こだわって制作した広告担当は「わかりました」と返事したものの、そのまま流していたようです。さじ加減は難しいのですが、少しクレームが来るくらい、何か訴えるものをしっかり持ったCMが消費者の心に響くのだと実感しました。
その後、「あわせだし」は順調に売り上げを伸ばし、味の素唯一のエリア商品としてしっかりと貢献してくれました。吉本興業さんとは、なんばグランド花月の緞帳(どんちょう)に「ほんだし」のロゴを入れていただいたことでご縁ができ、関西エリア番組を味の素、味の素ゼネラルフーヅの提供で制作。芥川賞作家の又吉直樹さんとのご縁もいただき、大変ありがたく思っています。
◆西に確固たる拠点
新支社ビルの建設も思い出に残る仕事です。西天満にあった大阪支社は、屋上に赤いお椀(わん)のネオンサインのある重厚な建物でしたが、80年近くたっており老朽化していました。本社が移転候補地を中之島に探してきてくれ、プロジェクトを組みプランを練りました。新支社は、免震構造の事務所棟と駐車場棟のツインビルにグループ全社が集結し、西の確固たる拠点に。東京に有事の際は、本社経営メンバーが移動してきて仕事が継続できるよう最低限の設備や仕組みを作りました。
お客さま自身が調理できる大型のキッチンルームや西日本最大の“食の図書館”を併設し、一般に開放した点も新しい試みです。当時の江頭邦雄社長が「新ビルができてすぐに転勤はかわいそうだから」と、3年大阪支社で勤務し、関西は愛着のある土地になりました。