
忙しい中でも趣味のフルートでリフレッシュ(右が横山会長)【拡大】
この先進的な取り組みに対して、若手の営業から反発があったのは意外でした。考えてみれば、ベテランから引き継いだ顧客の対応で手いっぱいの彼らにとって、新たなものは簡単には受け入れられないのも当然です。
さまざまな意見を交わしながら、この活動を徐々に、しかし確実に進め、これが力になるという事例が広がるにつれて、ある時期からは加速度的に進み始めました。
◆転がりだした重い石
まさに大きな重い石を坂の上から転がすように、スタートは大変でしたが、転がり始めると生命を得たように自らスピードを上げて進んでいったのです。成功事例は全社で共有され、それが新たな提案の連鎖となり、若手が急速にたくましく成長して営業組織全体の力が強くなっていくのを実感しました。
この活動は内容を充実させながら進化し続け、味の素の国内事業の力の源泉の一つとなっています。特に家庭用や外食用、加工用と顧客に応じて別々の営業体制はとっていますが、最終的には同じ生活者、消費者に向けた仕事であるということで「BtoBビジネス」も「BtoBtoC(消費者)ビジネス」と位置づけ、家庭用、外食用、加工用が横断的な取り組みを開始。活動はその後、食品事業にとどまらずアミノ酸などの非食品事業にも拡大していきました。
当時非連結会社まで単純合計すると食品事業は1兆円近い規模に。07年には大阪支社時代に親交を深めたヤマキもグループに入ってくれました。
関係会社は、冷食、飲料、コーヒー、油脂、調味料などの事業会社や、物流、プロモーションなどの機能会社がありましたが、これらを束ねる会議体を立ち上げ、テーマ別の分科会に参加してもらう取り組みを始めました。徐々に活動が本格化し9年たった現在では、味の素のグループ経営に欠かせない存在となっています。