□イオン発生装置「ナノイーX」
■OHラジカル発生10倍、花粉除去能力2倍
秋に入ると、夏に増殖したダニやカビが死骸や乾燥した微粒子となってアレルギーの原因物質になる。秋口には、こまめな掃除とともに空気清浄機の活用も有効だ。今回の「これは優れモノ」は、さまざまな花粉や部屋にしみついたニオイ、PM2.5などの有害物質を抑制する空気清浄機を取材した。「日本人の4人に1人が花粉症といわれています」とパナソニック スモールアプライアンス商品部の西村奈津実さん(26)は商品開発の背景を説明する。
パナソニックの調査では、空気清浄機の購入理由の第1位は花粉の除去。9月15日から発売した新型の加湿空気清浄機では「花粉撃退」の機能を強化した。
パナソニックは、「ナノイー」という除菌・ウイルスを抑制するイオン発生装置を独自に開発。この技術は、自社の空気清浄機やエアコンなどのほか、乗用車やJR車両の空調でも使われている。
ナノイーは、ナノテクノロジー(10億分の1メートル)という単位での超微細技術と、エレクトリックのeを掛け合わせた造語。空気中の水に高電圧を加えることで生成されるナノサイズの微粒子イオンを指す。
この水でできた微粒子の中に、さまざまな物質に作用しやすいOHラジカル(高反応成分)を含んでいる。「OHラジカルはダニの糞(ふん)や死骸、花粉などさまざまなアレルギー物質と分子レベルで結びつき、これらを抑制する効果が確認されています」と西村さん。ナノイーの効果性について、実証データを基に解説した。
世界初のナノイー技術を搭載した空気清浄機は2003年に発売された。このときのナノイーには、1秒間に4800億個のOHラジカルの発生量があった。OHラジカルの発生量が多ければ、その分、空気清浄能力は上がる。