一方、柏崎刈羽原発の再稼働遅れは電気料金にも影響する。震災前に電力全体の3割を占めた原発の停止を受け、国内の電気代は企業向けで3割、家庭向けで2割上昇した。4月の小売り全面自由化で大手と新電力が相次いでお得なメニューを打ち出し、消費者は電気代の節約が可能になったが、依然として高水準だ。
東電は柏崎刈羽原発が再稼働すれば原発の安価な電力を生かして料金水準を引き下げ、全国で最も新電力から浸食されている首都圏で反転攻勢に出る見込み。
また、東電は原発事故の賠償費用を国に肩代わりさせており、再稼働による財務体質改善で返済資金をつくる計画だ。思惑が崩れた場合、被災者の生活再建にも影響する恐れがある。
震災後に再稼働できた原発は西日本に多い「加圧水型」のみ。東日本に多く福島第1とタイプが同じ「沸騰水型」は、柏崎刈羽が動けば初のケースだ。
政府は30年度に電源に占める原発比率を2割強まで回復させる目標を掲げており、経済産業省幹部は「出力の大きい柏崎刈羽の再稼働は、エネルギーの安定供給のためにも欠かせない」と指摘している。(田辺裕晶)