
マツダが部分改良して発売する小型SUV「CX-3」(左)と小型車「デミオ」=14日、横浜市神奈川区【拡大】
自動車メーカーは通常、新車投入から時間が経過し売れ行きが悪くなると、販売会社に対し値下げ原資としてインセンティブ(販売奨励金)を投じるケースが多い。しかしマツダは値下げをすると、下取り価格も下がり、結果的にブランド価値の毀損(きそん)も招きかねないとして極力値引きしない営業手法を基本方針とする。福原常務執行役員も「販売奨励金に振り向ける分は商品力を高める投資に使う」とし、ブランド力を高める戦略で固定客の取り込みを加速させると言い切っている。
ただ、最新技術を一部改良の度に前倒しで取り込めば、需要の先食いで4~6年間隔の全面刷新の際の販売にも影響を及ぼしかねない。全面刷新時に、期待値を上回るデザインや性能を打ち出せなければ需要喚起の効果も薄れ、“もろ刃の剣”となる可能性もある。(今井裕治)