半世紀を経ても支持を失わない理由について、11代目の開発担当を務めた安井慎一常務理事は「ブランドとして積み上げてきた安心感が背景にある」とみる。乗り心地や操作性など全ての面で落第点を出さないという一貫して変わらない「80点主義プラスアルファ」の体現がブランド力につながっているというわけだ。
その理想は初代から具現化された。エンジンには当時ライバルであった日産自動車の「サニー」より一回り大きい排気量1100ccの余裕あるタイプを載せた。また欧州車などで使われた運転席横の床にレバーを配置したり、軽量・省スペースなサスペンションを導入したりと随所に当時の先端技術を取り込んだ。
大衆車の地位不動
そうした最新技術をサラリーマンでも手の届く価格で提供するというコンセプトはその後も代々の開発陣に引き継がれた。