【ゴーン社長が特別寄稿】「日産の支援で前進すると確信」 三菱自との関係強化で (1/2ページ)

2016.10.20 19:09

会見するカルロス・ゴーン日産自動車社長=20日午後、東京都港区(福島範和撮影)
会見するカルロス・ゴーン日産自動車社長=20日午後、東京都港区(福島範和撮影)【拡大】

  • 緊急記者会見に臨む日産自動車のカルロス・ゴーン社長=20日午後、東京都港区(福島範和撮影)

 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は20日、「日産はなぜ三菱自動車に出資するか」と題してSankeiBiz(サンケイビズ)に特別寄稿し、同日発表した三菱自動車での会長就任などの関係強化について、「日産の支援により三菱自が前進できると確信している」と強調した。

 ゴーン氏の寄稿全文は以下の通り。

    ◇

 1998年秋、私は、日産経営陣に再建計画を示すためパリから東京へと向かった。この目的は、ルノーとの提携が日産生き残りのための手段であると彼らを説得するためだ。日産には日本の製造会社として誇りある歴史が存在したものの、10年にわたり巨額の負債を抱え、またイノベーションも停滞していた。しかし、このような状況が自らの手に負える範囲を超えていると認識したことについては日産を賞賛すべきだ。日産は支援を仰ぐべきパートナー探しを始めていた。最終的には、日産は私が考えていたのと同じく、ルノーが長期の最適なパートナーであると判断した。

 私たちは共にルノー・日産アライアンスを構築し、当時も今もこれは自動車業界において他に例を見ない存在となっている。ルノーとの提携後、状況は急展開した。日産リバイバルプランを実行に移し、日産は計画よりも1年前倒しで目標を達成したのだ。過去17年間にわたり、私たちはアライアンスとして年間数十億ユーロに達するシナジー効果を実現し、共同購買、共通プラットフォーム、および工場の共同利用といった施策を展開してきた。私たちは、また、電気自動車、自動運転技術およびコネクテッドカーの分野で得られる機会を、それぞれが単独で実現できたであろうよりも効率的に活用している。

 しかし、支援を求めるという勇気ある決断と、それを行ったことによって生じ得る恩恵を忘れたことはない。三菱自動車が燃費不正問題から立ち直るため4月に日産に支援を要請してきた際、私たちはこれを好機であると捉えた。財務的にも数百億円に達し得るシナジー効果が期待される。またルノーが日産の復活に貢献できたように、同じ日本の自動車メーカーに支援を提供する機会であると考えると共に、それを行うことへの責任も感じた。

 日産は三菱自動車の株式のうち34%について2,370億円での買収を完了しており、日産は三菱自動車の最大の株主となった。三菱自動車の直近の課題を乗り越えるだけでなく、将来の更なる繁栄のため、私たちは戦略、実務そして経営の専門知識を提供する。

 三菱自動車が加わるということは、2016年度に1000万台を販売するアライアンスを創出することになり、これは世界のトップ3に入る自動車グループになることを意味する。規模のメリットを超えて、私たちは共同購買やさらなるローカライゼ―ション、工場の共同利用、車両プラットフォームの共用、技術の共有、そして成熟市場および新興市場での事業拡大において、双方に利益をもたすシナジー効果を確認している。

欠けているのは、消費者からの信頼

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