「大戸屋HD」社長室で“内紛の修羅場”…創業家のトンデモ行動にあぜん「息子を社長に」 (1/3ページ)


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  • 昨年7月に急逝した大戸屋HDの三森久実前会長
  • 大戸屋HDのお家騒動は長期化しそうだ

 定食店「大戸屋ごはん処」を中心に飲食事業を展開している大戸屋ホールディングス(HD)で創業家と会社側の対立が続いている。今月3日には5月に対立が表面化してから初めて窪田健一社長が会見し、「無用な対立はすべきではない」と表明したが、解決の糸口は見つからないまま。それだけ両者の溝は深いのだ。それもそのはずで、3日に公表された確執の経緯を記した第3者委員会の調査報告書には、まるでテレビドラマに出てくるような“内紛の修羅場”が描かれていた-。

 平成27年9月8日、東京都武蔵野市にある上場企業の社長室。創業者の遺骨を抱いた未亡人がいきなり入室し、社長に向かってこう言い放った。「あなたは社長として不適格。息子に社長をやらせます」。当の社長は、あぜんとして聞き入るだけだった-。

 まるでテレビドラマの一場面のようだが、そうではない。大戸屋HDの社内では「お骨事件」と呼ばれている、まさに実際にあった出来事なのだ。

 “ドラマ”の主人公は3人。その年に急逝した創業者の三森久実氏の妻、三枝子氏。その長男の智仁氏。そして久実氏のいとこにあたる窪田社長の3人だ。

 第3者委員会の報告書によれば、“お骨事件”の当日、三枝子氏は久実氏の遺骨を持ち、背後に位牌(いはい)と遺影を持った智仁氏を伴い社内に裏口から入った。そして、そのまま社長室に行き扉を閉めた上で、社長の机の上に遺骨と位牌、遺影を置いた。

社長に向かって詰問「あなたは会社にも残らせない」