
火星移住構想について熱弁をふるうイーロン・マスク氏=9月27日、メキシコ・グアダラハラ(ロイター)【拡大】
さらに、月よりも遠い火星への旅行には当然リスクや危険も伴う。マスク氏自らも火星に行くつもりで、米ITサイトのギズモードによると、「途中で死んでも会社の継続に支障がないよう、しっかりと後継プランを用意しておきたい」と発言しているが、強い覚悟と評価するか、一抹の不安を覚えるかは、人によって分かれるところだろう。ほかにも、マスク氏が詳細を明らかにしていない火星でのインフラ整備の具体策など、「疑問がいっぱい」(ギズモード)ではある。
ただ、これまで宇宙開発は各国の政府機関が主導してきたが、民間企業や高い人気をもつ経営者が参入することで、より加速する可能性は大きい。オバマ米大統領も民間活力を生かし、米企業と連携して火星を目指す方針を表明している。
スペースXには米グーグルも出資しており、スペースXが追求する宇宙開発の低コスト化に一役買う。グーグル幹部らが出資している米プラネタリー・リソーシズは、小惑星資源の採掘など民間での宇宙探査を促進することを目的に設立されたベンチャーだ。
マスク氏と並ぶ米IT界のカリスマの一人、米アマゾン・コムのジェフ・ベゾスCEOは、2000年に航空宇宙企業のブルー・オリジンを設立。将来の有人宇宙飛行を目指した事業を行っており、宇宙船開発やロケット回収などに取り組んでいる。ライバルのマスク氏の最近の派手な動きは気になるところだろう。
マスク氏の火星移住構想をきっかけに、宇宙開発熱が一層高まりそうだ。