
スズキと競合する新型小型車「トール」を発表したダイハツ工業の三井正則社長(右)と、トヨタ自動車の佐藤康彦常務役員【拡大】
ソリオは2011年1月の投入以降、国内の月販平均が安定的に2500台を超える人気ぶりで、累計の販売台数は今年10月末までに20万台を突破している。
新車の開発には少なくとも4年程度かかるとされる。今回のダイハツの新型車はもちろん、トヨタがスズキと提携交渉入りする前に検討が始められており、それが計画通りに投入されただけで、市場の人気分野でぶつかるのは当然といえる。しかし、トヨタとスズキの提携交渉が具体化してくると、最大のライバル同士だけにダイハツとスズキの関係は、トヨタを挟んで複雑になりかねない。
主力とする軽開発では互いに燃費やデザイン、新たなコンセプトを含めて激しく競い合う。しかも、トヨタの完全子会社となったダイハツは、グループの小型車開発を中心に担うことを任されたばかり。ダイハツの三井正則社長は「世界で今後増えるのは小型車だ」とし、ダイハツが中心となって開発した小型車をアジアなどに投入する方針だ。
だが、新興国での小型車展開を強化すればするほどスズキと競合する機会は増える。とくに難しいのがインド市場だ。スズキが5割弱の圧倒的なシェアを持つ一方、トヨタグループは5%弱と販売に苦戦している。