富士重、新型プラットフォームを全車種に展開へ 吉永社長「安全性の根幹」

吉永泰之社長
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 富士重工業の吉永泰之社長は12日、都内でフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、衝突時の安全性などを高めた新型プラットフォーム(車台)を2020年にも全車種に展開する方針を明らかにした。衝突回避ブレーキなど運転を支援するシステム「アイサイト」に加え、車両本体の性能を高めて安心・安全を訴求する。

 同社の17年3月期の世界販売は前期比10.9%増の約106万台に上り、初めて100万台を超える見込み。吉永社長は好調の要因として「安心・安全のブランドが浸透し、イメージが上がってきた」と述べた。

 その上で、新型プラットフォームを初採用した新型「インプレッサ」は「主力市場の米国では年末に本格的に販売が始まる。来年はさらに販売が伸びる」と話した。新型プラットフォームは強度を引き上げ、衝突時に1.4倍の力まで吸収する設計で「(他の車種にも)大きな改良の際に4~5年かけて入れる」と述べた。

 安全技術では、日産自動車が8月に高速道路の1車線内で自動運転が可能なミニバンを投入するなど競争が激しいが、「アイサイトや、安全性能の根幹のプラットフォームの優位性は高い」と総合的な技術力を重視する考えを示した。