自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料が、2017年4月の契約分から、全車種平均で7%程度引き下げられる見通しとなったことが12日、分かった。保険金の支払いが減少し、収支が改善したため。08年度に平均27.9%安くなって以来、9年ぶりの値下げとなる。
現在、自家乗用車(沖縄県と離島を除く)の保険料は、一般的な2年契約で2万7840円、軽自動車は2万6370円となっており、仮に7%の引き下げとなれば、それぞれ約1950円、約1850円安くなる見込みだ。
17年1月に開かれる金融庁の自賠責保険審議会で収支の状況や保険料の改定などを議論した上で、損害保険各社でつくる損害保険料率算出機構が値下げを決める。
自賠責保険は、自動車やバイクなど全ての保有者に加入が義務付けられる強制保険のため、保険料は利潤や損失が出ないように算出されている。損保会社が保有者と契約する。11年度と13年度には、保険料収入に比べて保険金の支払いが増えて収支が悪化したため、それぞれ平均11.7%、13.5%の値上げをした。その後収支は改善し、年約200億~300億円の黒字が続いていた。16年度も数百億円規模の黒字見通しとなり、契約者に還元する。
関係者によると、近年、自動ブレーキなど事故を減らす安全技術を搭載した「先進安全自動車」(ASV)が普及したため事故が減っており、保険金の支払いの減少につながっている。