電通社長に山本氏 風土改革いばらの道 補佐役に処分対象者…残る疑問 (1/2ページ)

2017.1.20 05:50


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 広告代理店最大手の電通は19日、新入社員の高橋まつりさん=当時(24)=が過労自殺した問題で、石井直社長(65)が引責辞任し、山本敏博常務執行役員(58)が23日付で昇格する人事を発表した。3月に開催する定時株主総会を経て、山本氏は代表取締役に就任する見通し。経営体制を刷新し、労働環境の改善など企業風土改革に取り組む。

 電通は19日、臨時取締役会を開き、辞任を表明していた石井氏の後任として山本氏を選任した。また、中本祥一副社長(66)と高田佳夫専務(61)に代表権を与え、山本氏を補佐する。石井氏は3月の株主総会後に取締役を退任する。

 社長に就く山本氏はメディアや営業など幅広い部門の責任者を歴任。昨年11月に発足した労働環境改革本部で矢継ぎ早に対策を取るなど、本部長の石井社長を支えてきた。指導力が社内でも高く評価されていた。

 ただ、山本氏ら新経営陣が取り組む企業風土改革は、いばらの道だ。

 山本氏を補佐する中本副社長は高橋まつりさんの過労自殺問題を受け、18日に減俸処分を受けたばかり。高田専務と山本氏は労務問題では処分対象になっていないとはいえ、インターネット広告の不正請求に関する問題では、17日に減俸処分を受けている。

 社内調査では、ネット広告不正の原因について、需要が急増しているにも関わらず、「質・量の両面で人的資源の適正配置が十分でなかった」と、人員体制の不備を指摘した。自殺した高橋まつりさんはネット広告を担当していたが、ネット広告不正と労務問題の原因は密接にからみあっている。

社内外から十分な理解を得られるのかは疑問

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