東電と中部電、火力統合へ 世界最大級の“メガ電力”誕生 政府関与の不信感解消が課題 (1/2ページ)

東電と中部電力の火力発電の事業統合への経過
東電と中部電力の火力発電の事業統合への経過【拡大】

 東京電力ホールディングス(HD)傘下の東電フュエル&パワー(FP)と中部電力が共同出資する火力発電会社「JERA(ジェラ)」が、火力発電事業を完全統合する方向で最終調整に入ったことが19日、分かった。完全統合が実現すれば、世界最大級の“メガ電力”の誕生とともに、電力システム改革を通じて業界再編を進めたい政府にとって格好の果実となる。

 ジェラは2015年4月に設立された。「世界最大の火力会社」を目指し、燃料調達や海外発電などで段階的に共同事業を拡大してきた。国内の既存火力発電所を統合すれば完全統合が実現し、東電と中部電の火力発電の出力規模は国内の半分近くを占めることになる。

 完全統合をめぐっては、経済産業省の有識者会議「東電改革・1F(福島第1原発)問題委員会」が昨年末まとめた提言でも「必要不可欠」と明記され、早期実現が期待されていた。

 だが、国の関与が続く資金難の東電と、虎の子事業を手放すことになる中部電には完全統合に対する温度差がある。東電にとっては、柏崎刈羽原発(新潟県)の早期再稼働が見通せない中、JERAの完全統合で燃料調達や発電コストを削減し新たな収益源に育てたい思惑がある。

 一方、火力発電の比率が高く、独自で燃料調達手法や運転技術などを高めてきた中部電にとっては、東電とノウハウを共有することや、ジェラの収益が福島復興事業の“財布”にされることを警戒する声がある。中部電は実質国有化の東電と一緒になることで国の関与が強まる可能性も懸念しており、中部電の勝野哲社長は完全統合について「東京電力の自立が前提条件」と繰り返す。

それでも東電の背後に控えた政府に対する電力業界の不信感は強い