
床材に国産材を使用したタリーズコーヒー都庁店=東京都新宿区(大建工業提供)【拡大】
「表面材に国産材を用いてその美しさを消費者に訴えようと、4年前に『日本の樹』シリーズを市場投入した。床から壁、さらに住宅機器まで住宅内装を丸ごと国産材にこだわってコーディネートできる特徴を訴えてきた」
--公共・商業施設に注力するのは
「国土の約7割を森林が占めるにもかかわらず、木材の自給率は29.6%(14年度)にとどまる。国産材の活用が進まない結果、荒れた人工林が増え、環境保全や災害対策で問題が生じている。国産材を広く活用するにはその4分の3近くを占める軟らかなスギやヒノキの有効活用が重要で、地域材の利用が課題となる。自治体も地元の木材利用に力を入れており、新たな市場として着目した」
--具体的には
「12年に富山県産材を活用したプロジェクトを展開できないかと、富山県農林水産総合技術センター木材研究所と共同で技術開発に着手した。その結果、県産スギを利用した不燃パネルと突板貼りアルミ壁材がそれぞれ北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅と富山駅の駅舎に採用された。このほか、土足で使用される施設には不向きとされたスギ材を用いた床材にも地域材を活用している。木材の組織にプラスチックを注入・充填(じゅうてん)し硬化させる当社独自の加工技術『WPC(ウッド・プラスチック・コンビネーション)』を使ったフローリングで、富山県小矢部市役所ロビーのほか、国産材利用で二酸化炭素固定量を認定する『みなとモデル』を推進している東京都港区で『みなとパーク芝浦』『新橋きらきらプラザ』などに採用された」