
神戸市で唯一のマッチメーカーとなったナカムラの工場。箱詰機は受注時に稼働させる=神戸市長田区【拡大】
さらに、実用品のマッチを“雑貨”として扱うことで、新たなニーズを掘り起こした。かつての広告マッチを「レトロラベル缶マッチ」として復刻。昔ながらの味わいのあるパッケージデザインが若い女性を中心に人気を集める。
生産が減少して厳しさが増す兵庫県内のマッチ産業だが、同社は商品企画力で伝統を守り続けている。(岡本祐大)
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【会社概要】ナカムラ
▽本社=神戸市長田区浜添通6-1-2
▽設立=1910年7月
▽資本金=1600万円
▽従業員=8人
▽売上高=1億2000万円(2016年3月期)
▽事業内容=マッチ製造のほか、各種印刷物、販促用品製造、工業用資材販売
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□中村和弘社長
■さまざまなニーズ掘り起こしたい
--販促用の広告マッチから“売る”マッチに転換したきっかけは
「バブル経済が崩壊して以降、企業の経費節減などで当時主流だった広告マッチの需要が落ち込み、生産量が減った。業界として不安感が広がり、私自身、事業転換も考えた。そんなとき、他業種の先輩経営者から『誰がマッチを使うのか。消費者目線でほかのやり方を考えてみれば』とアドバイスを受けた。受注先のことばかり考えていたと気付かされ、独自商品の企画ができないかと発想を変えた。まだ対応できる段階から『マッチの仕事がなくなるかもしれない』と危機感を持てたことは大きかった」