KDDIが2日発表した2016年4~12月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比15.4%増の7757億円と大きく伸びた。新規契約数が大きく増えていることから10~12月期から公表を始めたUQコミュニケーションズなど傘下の仮想移動体通信事業者(MVNO)収入とau回線収入を合わせた国内モバイル通信料収入が牽引(けんいん)した。大幅な伸びを受けて通期の業績予想も営業利益を期初予想から250億円上積みして9100億円に引き上げた。
記者会見した田中孝司社長は今後のモバイル通信料収入について、「MVNOの拡大が牽引する」と指摘した。MVNO収入は16年4~12月期で24億5500万円と、au回線収入の約0.2%に過ぎないが、前年同期比で約6.7倍も増加。au回線収入が2.2%の増にとどまっているのとは対照的だ。
田中社長は、1月に完全子会社化したビッグローブがNTTドコモの回線を借りてMVNOとして提供している格安スマートフォンサービスの利用者も含めて、「全体でシナジー効果を出したい」と述べ、auとMVNO合わせた契約者数の成長を目指す方針を示した。一方、16年4~12月期の売上高は6.8%増の3兆5222億円、最終利益は15.4%増の4713億円だった。