
みちのく銀行では支店や本部の行員が集まって地元企業の利益改善に向けた議論をしている=青森市【拡大】
地銀各行、地元企業への「目利き力」強化
「息子さんが当行の経営塾に参加されましたね。そろそろバトンタッチをお考えですか」
貸し出し以外に手数料を得られる関係に発展したきっかけは、このひと言だった。直前の営業戦略会議で、本部からの出席者が経営塾の話をしていたのを思い出してのことだった。みちのく銀行(青森市)のある法人営業担当者は昨年夏、地元の建設会社経営者から事業承継の相談を受け、外部のコンサルティング会社を紹介した。
再編圧力に追い打ち
大都市への人口流出や少子高齢化が続く中、地方銀行には金融庁による再編圧力が高まっている。追い打ちをかけたのが、超低金利環境だ。保有する国債の価格上昇(利回りは低下)で、多くの地銀は大規模金融緩和前の決算水準を保つ。ただ、預貸の利ざやが縮小し、ビジネスモデルの変革を迫られている。
そこで、みちのく銀は法人営業戦略を見直し、融資獲得よりも「営業利益の改善」を重視する考え方に切り替えた。鍵となるのが行内の情報共有の徹底だ。
以前は融資契約を取り付けた後は足が遠のくこともあったが、今は営業担当者は毎月必ず取引先を訪問し、経営者の相談に乗る。工場を見学したり、営業会議に顔を出す行員もいる。